調査・研究・提言

2014年6月に立命館大学(京都市)で開催された日本コミュニティー心理学会第17回大会にて、「フォトボイスとフェミニスト・アクション・リサーチ:プラクシスをめざして」と題したワークショップを開催し、研究者や学生やNGOのメンバーも交え、実際にフォトボイスを体験しながら、アクション・リサーチについて理解を深めました。

 

また、大会企画シンポジウム「東日本大震災後のコミュニティ・エンパワメント」と題されたシンポジウムでは、「フォトボイス・プロジェクトを通じて見えてきたもの」を発表しました。シンポジウムでの報告をまとめた論文は、コミュニティー心理学研究2015年19巻1号に掲載されました。

 

2015年3月に宮城県仙台市で開催された第3回国連防災世界会議United Nations Third World Conference on Disaster Risk Reductionの、パブリック・フォーラムで、「フォトボイスとアーカイブ:多様な災害の記録と発信を防災に役立てる」というワークショップを国立女性教育会館と共催しました。被災した女性たち自らが撮影した写真とグループでの話し合いを通して作られた声を通して、災害の経験を記録し発信することの意義と、それが防災・復興にどのように貢献できるかをテーマ別のグループごとに考えました。このワークショップでは、メンバー自身も日英の通訳を通し、国内外からの来場者に被災地・被災者の現状を伝え、防災や災害対応、復興の問題点や課題を指摘し、必要とされる対応を話しあいました。

 

フォトボイス・プロジェクトの活動は、海外でも広く発表しています。たとえば、International Sociological Association(世界社会学会議)、Society for Social Work Research(米国社会福祉研究会議)、European Conference on Social Work Research(欧州社会福祉研究会議)、European Conference of Community Psychology(欧州コミュニティー心理学会議)、Society for Community Research & Action(コミュニティー・アクション研究会議)、Joint World Conference on Social Work, Education and Social Development(社会福祉・教育・ソーシャル・デベロップメント合同会議)など、社会福祉、コミュニティー心理学、社会学、コミュニティー・アクションやソーシャル・デベロップメントなどを中心に、幅広い分野の学会で、メンバーの写真と声を紹介し、防災や復興の課題、そして今後の取り組みについて発信しています。

 

これまで発表された論文には下記のようなものがあります。

 

村本邦子、上山真知子、吉浜美恵子、団士郎、久田満(2015).日本コミュニティー心理学会第17回大会、大会企画シンポジウム「東日本大震災後のコミュニティ・エンパワメント」 コミュニティー心理学研究(Japanese Journal of Community Psychology)19巻1号pp.1-32.

Yoshihama, M. & Yunomae, T. (2018). Participatory investigation of the Great East Japan Disaster: PhotoVoice from women affected by the calamity, Social Work, 63(3), 234–243. https://doi.org/10.1093/sw/swy018

Yoshihama, M. (2018). PhotoVoice: Arts-based participatory research and action in post-disaster Japan. Social Dialogue, 19, 28-30.

Yoshihama, M. (2018). PhotoVoice Project: A Participatory Research and Action in post-disaster Japan. In E. Huss & E. Bos (Eds.), Using Art in Social Work Practice in social work: A handbook for arts in social work. London, UK: Routledge.