フォトボイス・プロジェクトとは

フォトボイス・プロジェクトとは

フォトボイス・プロジェクトは、東日本大震災で被災した女性たちが、写真と「声(メッセージ)」を通して、多様な視点から被災経験を記録・発信する活動をサポートし、地域主体の復興をめざすNPO法人です。
ビジョン・ミッション活動歴団体概要参加メンバーの声プレスリリース・リリースメディア掲載

●2011年3月11日に起きた東日本大震災

未曾有の大災害は、多くの人の命、大切なもの・場所を奪いました。たくさんの人が、恐怖、悲しみ、無力感、とてつもない痛みを抱えながら日々暮らしています。大災害の影響は広範囲に及びます。

災害以前からあった、賃金、雇用、子育て・介護などの性別役割分業、性に基づく暴力、社会参画などにおける男女格差がより強まり、社会的に弱い立場にある人々の人権が脅かされやすくなるということが、これまでの研究や現場からのレポートで明らかにされています。また、女性の視点の重要性や女性が復興過程や社会に参画していくことが不可欠であることが、繰り返し指摘されてきました。

フォトボイス・プロジェクトは、2011年6月から、被災した女性たちが、写真を撮り、自分たちの経験を反復的に話し合う(フォトボイス・ミーティング)小グループを各地に作り、活動を続けてきました。

グループが参加するミーティングは、メンバーである女性たちが喪失の苦しみや痛み、気づきなどを語る場でもあり、自分の経験の意味を考えたり、地域や社会の問題を話し合う場でもあります。

その中で相互理解や交流、相互援助も生まれています。メンバーは、話し合いを基に、社会に伝えたいメッセージ(「声」)を時間をかけて練って作り、写真とともに展示会や報告会(集い)で発信してきました。

このように、震災や復興に関る経験を記録・発信することは震災を風化させないために重要です。写真と「声」は、地域や社会の課題を指摘し、見る人・読む人がよりよい防災・減災や災害対応、復興について考えることにもつながります。

参加メンバーにとってのフォトボイス・ミーティングは、それまでなかなか口に出すことができなかった経験や思いをことばにして、語り、共有していく場ともなっているようです。

2014年1月に宮城県仙台市で開催した展示&集いに際して、仙台のメンバーが寄せてくれたメッセージに、「不安や期待を抱えて集まったミーティングでは、一枚一枚の写真をめぐって 仲間と泣いて、怒って、笑って、自分の大変さを語っていいんだと思えた。」という一文があります。

混乱、焦燥、不安、喪失感や哀しみを抱えながらも、災害後、日々の生活、仕事、ボランティアに奔走し続けるなか、(いつのまにか)ふたをしてしまっていた自分の感情を語る場所、「語っていいんだと思える場所」が必要とされていることが伝わってきます。

 

フォトボイス・プロジェクトは、東日本大震災発災で被災した女性たちが、写真を通して自分たちの経験や感情を話し合い、仲間からの共感、理解、支援を経験しながら、いきいきと自分らしく生きていくことを支え、さらに、写真と「声」を発信することを通して、よりよい防災・減災、災害対応が十分に考慮された復興への道のりをサポートします。