フォトボイスは、1990年代はじめに、米国ミシガン大学のキャロライン・ワン(Caroline Wan)(当時ミシガン大学教員)、メリーアン・ブリス(Mary Ann Burris)(当時フォード財団スタッフ)らのプロジェクトチームによって開発された参加型アクション・リサーチの手法である。
Photo(写真)とVoice(声)を組み合わせた参加型の問題発見、解決に向けた提案を考える方法です。地域社会の問題に直面する人々自身が、写真撮影や話し合いを通して、問題の本質を考え、それに見合った解決法を模索し提案したり、実際に変革に向け働きかけていくので、「参加型」の調査方法、住民「参加型」の社会変革の方法と言われます。
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写真撮影は単独で行いますが、 写真を持ち寄りグループでその話し合います。話し合いを重ねるなかで、自分や周りの人の視点、地域社会や社会全体の課題などをより深く理解していきます。そして、展示会やインターネットなどを通してそれらを社会に発信していきます。
フォトボイスの手法を使った活動には、基本的に誰でも参加できますが、これまで、主に声をあげにくい人々が、地域や社会のさまざまな問題・課題を掘り起こし、共有し、解決に向け発信していく方法として多用されてきています。
東日本大震災発足した私たちのプロジェクトが、フォトボイスの手法を選んだのは、女性たちの経験を基に、災害への対応、復興、今後の防災などについて話しあう場が必要だと考えたからです。また、被災の影響への社会心理的なサポートも継続的に必要だと考えました。フォトボイスの手法を応用することで、個人的な支援ではなく、グループでの対話を通した継続的な支援が可能となりました。
フォトボイスという手法には、さまざまな効用があります。
効用も多くありますが、配慮しなければならない点もあります。