目標7 安価で信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセス

 目標7の達成目標(ターゲット)のひとつは「2030 年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる」である。政府による「SDGs実施指針」(2023年改訂版)は、「我が国として、脱炭素の取組と同時に、強靭なエネルギー需給構造への転換を含めたエネルギー安全保障を強化する」と述べている。しかし、日本の発電電力量に占める再生エネルギー比率は18.0%で、主要国の中で 米国16.8%と並んでかなり低い(経済産業省資源エネルギー庁, 2021)。
 福島では第一原発の廃炉の見通しは立たず、除染した放射性廃棄物の最終処分場も決まっていない。いまだ帰還困難区域が残り、現在でも自力避難者も含め全国に約3万人の避難者(2024年2月1日現在、復興庁)がいる。2011年3月11日午後7時03分に発令された「原子力緊急非常事態宣言」はいまだに解除されていない。そうした中で政府は原発回帰政策に転じている。福島原発事故の教訓が生かされていない。
 ベルテルスマン財団・SDSN*による「持続可能な開発報告書2024」は、日本における目標7の達成度には前年同様「重要な課題がある(Significant challenges)」という評価を下した。「深刻な課題がある」ではないだろうか。

*持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(The UN Sustainable Development Solutions Network)


不安と怒り

避難後に責任を問う為に訪問した東京電力本社。
しかし門前払いだった。
地震は天災、しかし原発事故は人災である。

chiaki
東京都東京電力本社 2011年12月 撮影


太陽光発電

30年以上戻れない原発避難区域に住んでいたお年寄りが、
吐きすてるように、
「オラの土地やるからソーラーいっぱい作ったらいいべや」
と言っていた言葉が忘れられない。
世界中の屋根にソーラーがつけられることを望みたい。

chikako
福島県福島駅前 2011年11月 撮影


除染後の桜並木道

ガードレールの左が帰還困難区域
(許可を申請して一時帰宅しかできない)
右が居住制限区域(日中だけ時間制限で出入り可能)
なのは変わらない。右側だけ解除され、2017年4月に戻って
生活できることになった。
ガードレール1本だけで隔てられた場所に戻って
生活できるのか?

キーちゃん
福島県富岡町夜ノ森 2016年11月 撮影