目標2 飢餓撲滅、食料安全、栄養改善、持続可能な農業推進

 「飢餓撲滅」は発展途上国の問題のように思われがちだが、日本でも2020年厚労省データによると、年間1,500人以上が栄養不足によって命を落としている。災害時には、食料不足や栄養の偏り、乳幼児や授乳中の母親の栄養不足などのリスクが高まる。だが、政府による「SDGs実施指針」(2023年改定版)にも、「SDGsアクションプラン2024」にも国内の栄養や飢餓に関する記述はない。
 原発事故による放射能汚染農作物への影響も深刻である。持続可能な農業促進のためには、災害による農業への影響に対する補償も含め多面的な行政の対応が必要だ。
 ベルテルスマン財団・SDSN*による「持続可能な開発報告書2024」は、日本における目標2の達成度は「重要な課題がある(Significant challenges)」、進捗は「後退している(Decreasing)」という評価を下した。 

*持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(The UN Sustainable Development Solutions Network)


命をつないだ食パン

地震の時、避難した学校には600人ぐらいいて、
なかなか水が引かず、孤立し、水、食料もなかった。
2日目の夜、ゴムボートで運ばれてきた、わずかな食料・・・
私達家族4人に、あたえられたのは1枚の食パン
次、いつ食べ物がまわってくるかわからない・・・
主人に「オレはいいから子供達と分けて食べて」といわれ、
下の子におっぱいをあげていたので、
少しでも母乳がでるようにと、パンを口にしました。

うさぎ
宮城県沿岸部 2012年12月 撮影


災害に傷ついた実と民~天災を人災にしないために

5月末から6月に、福島県内に季節はずれの雹(ひょう)が降った。
特に福島市内の被害は総額約6億円とひどかった。
被害をうけた農家の方たちは、丹精こめて育ててきた梨が
痛々しく傷ついている。  
柔軟性をもった実と民をまもる責務、対応が必要だ。
東日本大震災以後、災害は次々におこり、この先何がおきるかわからない。
次への災害に備え行政がどう対応するのかということを心にとめておきたい。

maki
福島県福島市 2022年6月 撮影