目標14 海洋・海洋資源の保護と持続可能な利用

 目標14の達成目標(ターゲット)は、「2025年までに、海洋ごみや富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染などあらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」、「2020年までに、海洋及び沿岸の生態系の回復のための取組を行なわねばならない」などである。海上保安庁によると2020年までに日本周辺海域において確認した海洋汚染の件数は453件である。その汚染物質は油、廃棄物、有害物質などであり、一般市民によるものが95件にのぼる。
 東日本大震災により東北沿岸部の漁港や養殖場、水産加工場や市場などが津波や地震による地盤沈下など甚大な被害を受けた。豊かな海の資源は東北沿岸部の経済を支えてきた。しかし、津波被害により沿岸の環境と生態系は劣化し、地元の人々の雇用・生計手段が奪われた。福島第一原発での事故による汚染水の処理も深刻な課題である。
 ところが、政府が国連に提出した「自発的国家レビュー2021」(SDGsの達成状況に関するレポート)も、全99ページに及ぶ「SDGsアクションプラン2023」も、原発事故に起因する汚染水の問題について何ら言及していない。ベルテルスマン財団・SDSN*による「持続可能な開発報告書2024」は、目標14 の達成度について、前年同様「深刻な課題がある(Major challenges)」という最低評価を下している。

*持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(The UN Sustainable Development Solutions Network)


大漁祈願

「津波後3年間は漁はふるわない」と言い伝えられている。
漁業者たちは待っていられない。
津波でいなくなった魚たちの回帰を願い、モクモクと手を休めず
網づくり作業に祈りを込める。(責任者の許可を得て撮影)

はまなす
岩手県沿岸地域 2013年5月 撮影


世界三大漁場・金華山沖への玄関口

本州の中で、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の震源地に最も近い港。

このとき114cm地盤沈下した海には、岸壁が「沈んで」いた。

あれから一年。

復旧工事は少しずつだけど、しかし確実に進んでいる。

岸壁も見事復活を遂げ、

いまでは海の上で堂々と胸を張っている。

やっぱり岸壁はこうでなくちゃね。

きょうもここから漁師さんたちが勇ましく沖へ出ていく。

宮城県石巻市鮎川 2012年11月 撮影


宮古港に水揚げしたサンマ船

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

昔は、宮古港はサンマ船の出漁港で、にぎやかに出航していた。
漁をしてきたサンマ船が荷上げのため停泊していた。
昔を思い出して撮りました。

三浦千代子
岩手県宮古市 2012年11月 撮影


10年頑張ってきたのに

福島の海は豊かな漁場です。
でも、原発の爆発で出漁は禁止された。
10年という長い忍耐のあと、やっと出漁の許可がおり、買い控えも収まりつつあった。
政府も「地元の了解がなければ汚染水の海上放出はしない」と約束した。
漁業者はやっとほっとして漁に出た。
それなのに、今政府は平気でその約束を破ろうとしている。
破られるというのは私たちを大切な国民とみていないから?
海を大切な生命の源と捉えていないから?

よしみ
宮城県仙台市 2021年4月 撮影