目標10 国内及び各国間の不平等削減

 性別、年齢、障害、人種、民族、出自、宗教、経済的地位による差別など、日本において削減すべき不平等は枚挙にいとまがない。差別的な法律、政策及び慣行を撤廃し、平等を推進するために必要な税制、賃金、社会保障政策を導入することなどが達成目標(ターゲット)に掲げられている。
 日本の現状はというと、格差は様々な面で拡大している。政府が国連に提出した「自発的国家レビュー2021」(SDGsの達成状況に関するレポート)は、都市部と地方部の格差、ひとり親世帯や高齢者世帯とそれ以外の世帯との格差がより顕著になっていると述べている。
 災害時には平時の不平等や格差がさらに大きくなる。東日本大震災では多くの人が被災し家を失った。立場や経済力などの差は、自宅を再建するか災害公営住宅に住むかなどの選択に直結する。
 原子力発電所の事故で福島県民は甚大な被害を受け、放射能汚染の影響は続いている。福島で作られた電力の大部分は首都圏に供給されていた。東日本大震災から14年が経過した現在、首都圏では震災の記憶も影響も薄れている。不平等はこんな形でもあらわれている。
 ベルテルスマン財団・SDSN*による「持続可能な開発報告書2024」は、日本における目標10の達成度には「重要な課題がある(Significant challenges)」という評価を下した。目標10を達成するための抜本的な取組が必要である。

*持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(The UN Sustainable Development Solutions Network)


ちょっと違うんじゃない

「東京オリンピック」素晴らしい、こんな予算と施設を考えることが・・・
まるで、遠い、よその国の話題のようです。
震災後、なでしこジャパンの大活躍を避難所のテレビで
沢山の人達と応援し、日本女性のしなやかさと力強さに感激し、
勇気をもらった。
他のスポーツ選手にも、忘れられない勇気と暖かさと感動をもらった。
できるなら、一緒に東京オリンピックの感動を味わいたい、
心から応援したい。
この気持ちは変わらないが、自分が現実に生きるところを見ると、
東京に建設が集中しつつあり、被災地は人手不足と資材不足による
物価の高騰。
復興集合住宅1 軒分が3800 万円で建設されるという。
都市のマンション並の価格ではないか。
なんとも腑に落ちない

ラマラマ
宮城県女川町 2015年7月 撮影


仙台パワーステーション発電所。電力は首都圏へ、利益は関西へ、汚れた空気だけ被災地に

被災地では、離れざるを得なくなったふるさと、住み慣れた地域、
そして隣人との思い出を何かに残そう、新たにつなげようと今もなお、努力する人々がいる。

一方、資本・大企業は惨事に便乗し利益をあげようと、
そうした被災地の安い土地に時代遅れの石炭火力発電所を次々に建設しようと集まって来る。

国も、石炭火力発電を原発とともにベースロード電源に位置付け後押ししている。
仙台パワーステーション発電所は関西電力と伊藤忠商事の関連会社がつくった環境アセスメント逃れの小規模発電所。
4キロメートル圏内には23も学校があるというのに。
地元東北電力の火力発電はLNG(液化天然ガス)を燃料にしているというのに。

遠い被災地だから、「あっちのほう」だからできることなのか…。
被災地ではいっそう大きく、悲しみと怒りが渦巻いている

福島かずえ 
宮城県仙台市 2018年1月 撮影